静けさと情緒に包まれた秋の京都へ
今回は、2020年11月に、昔の同期と訪れた秋の京都での出会いを紹介していきたいと思います。
秋の京都と言えば、紅葉ですよね!
今回は、コロナの影響で紅葉のピークである11月下旬にしては、平日ということもあり、大変静かに京都の紅葉を体感することができました。
初めての秋の京都は、今までの京都とはまた全然違って。
昔の詩人達が詠んだ美しい自然に包まれた、情緒深い京都を少し感じれたような気分になれました。
静かな京都を彩る紅葉に、川の音、本当に心が洗われたような、そんな感覚に何度も包まれました。
せわしなく時間に追われる日々に、「すき間」を作ることができました。そういう時間を大切にできる人でありたいなと思います。
今回は、2日目に訪れた嵐山と瑠璃光院について紹介します!
東福寺・南禅寺編はこちら!(東福寺編)
永観堂編はこちら!(永観堂編)
京都には、だるまだらけのお寺がある?
2日目は、五条にあったホテルから八坂神社近くにある着物レンタル屋さんに向かいました!
着物のレンタルをしたのは初めてですが、いざ選ぶとどんどんこだわりたくなってきちゃって、いっそ自分の欲しいなと思いました(笑)
ただ、初めて選ぶのは難しいので、インスタ等で事前に「これ!」という色合いや組み合わせをいくつか見つけておくとスムーズです♪
ということで、八坂神社前からタクシーで嵐山へ向かいました。
京都のタクシー運転手は観光客慣れしているせいか、とても優しいですし、だいたい「どこから来たんですか?」と話しかけてくれます。
観光客には、京都の移動はタクシーが断然便利だと思います!
いつものように運転手さんと話していると、半分くらい経ったときに「だるま寺って知ってます?」となかなか観光客が行かないお寺を「インスタ映えするから」と途中で寄ってくれました。(もちろんメーターは無料で止めてくれました。)
初めはどんなお寺なんだろうと疑問に思っていましたが、到着するやいなや、その意味がわかりました(笑)

住宅外にひっそりと建つお寺の中には、無数のだるまが置かれていました!!
なぜ、だるまがお寺にあるのでしょうか。そもそもだるまって何だったんでしょうか?
そもそもだるまとは、達磨大師というインドから中国に禅宗を伝えた人物を表したものです。座禅をし手足が衰えた達磨大師の姿と室町時代に伝わった底が丸くて倒れない「起き上がり小法師」とが組み合わさって、江戸時代に現在のだるまが作られたということです。
達磨大師は自分の行いの責任をしっかりととり、忍耐強くいるようにという「二入四行論(ににゅうしぎょうろん)」を唱えました。また、丸い形から「七転八倒」、赤い色から魔除けなど、縁起物として昔から多くの人に愛用され、選挙や受験期には、願いを込めて「左目」を書き込み、願いが叶えば「右目」を書き込むという願掛けも行われます。
法輪寺自体は、もともと1727年に創建されたお寺ですが、戦後の復興を願って達磨を飾ったことがきっかけで、だるま寺と呼ばれるようになりました。



その他にも、だるまのお守りが売られていたり、達磨大師が伝えた禅宗特有の座禅体験ができたりと、見所がたくさんあります。
また、だるま堂での写真撮影も、インスタ映え間違いなしです!(笑)
運転手さんのオススメで少し立ち寄ったお寺でしたが、とても楽しかったです。
また一つ新しい出会いが増えました♪達磨大師の見た目は恐かったけど、教えはとても素敵でした。
嵐山ランチは、名物のお豆腐
だるま寺に寄り道した後は、嵐山へ。やっぱり山の紅葉は素敵でした!!

今回は、あまり長く滞在できなかったので、嵐山については、また別の機会にご紹介出来ればと思います!
甘酒やお団子を片手に、着物で嵐山の散歩。まさに京都を体感してきました♪
竹林の小径や周辺のお店を散策した後は、嵐山でお昼をすることに。


名物の湯豆腐に舌鼓「松ヶ枝」
嵐山と言えば、嵯峨の美味しい水で作られる豆腐やお蕎麦が有名ですよね!
ということで、渡月橋からすぐの松ヶ枝さんにお邪魔しました。
こちらは、お蕎麦で有名な「よしむら」の敷地内にあるお豆腐屋さん。
明治の文豪の邸宅を改装した京都らしい、趣深い屋内はとっても落ち着きます。
私達は、湯豆腐と湯葉刺し、天丼を注文しました♪
抹茶の風味が広がる 自家製湯豆腐

まずは、定番湯豆腐から!白のそば粉を使ったそば豆腐と宇治の抹茶を使った抹茶豆腐の2つ!
口溶けがよくって、つるっと食べられました。特に抹茶豆腐はほのかに抹茶の風味がして好きでした♪
凝縮された風味が絶品! 自家製湯馬刺し

とっても濃厚な湯葉は、分厚くて食べ応えもたっぷりでした。
噛む度に湯葉の味が広がっていく感じが、湯葉好きの私にはたまりませんでした♪わさびと頂くとさらにGOOD!
さくさくの天ぷらとご飯が優しい! 天丼

ふっくらで味がたったお米が美味しいのはもちろん、サクサクの衣としっかりと素材の味が生きた天ぷらは絶品でした♪
これ、とってもオススメです!!
静けさと情緒に我を忘れる「瑠璃光院」
嵐山で遅めのお昼を食べた後は、本日の目玉であった瑠璃光院へ向かいました。
嵐山と瑠璃光院は真反対なので、あまり良いルートではないのですが、紅葉の時期で大人気に瑠璃光院の予約がこの日しか取れませんでした(泣)
瑠璃光院はあまりアクセスが良くないので、私達は電車とタクシー行きました!(寄り道もしたかったので)
電車で行く場合は、叡山電車で「八瀬比叡山口駅」を目指しましょう!もちろんバスでも行けます。
それでは、近年、机に映る紅葉でとても有名な瑠璃光院をご紹介していきます♪
もともと比叡山の西麓にあり、髙野川の清流が流れる「八瀬」は、壬申の乱(672年の皇位継承争い)で背中に哉傷を負った大海人皇子(天武天皇)が「八瀬のかま風呂」で傷を癒やされてから、やすらぎの地として愛されてきた地です。
浄土真宗光明寺の支院である瑠璃光院の書院は、明治の実業家が建てたもので、その後も別荘や高級旅館などと姿を変えながら、最終的に光明寺が買収し2005年に寺院に改められました。現在では、情緒ある名建築と名庭園として親しまれています。現在の建物や庭園は大正末期から昭和初期にかけて大改築されたものだそうです。
「やすらぎの郷」八瀬の空気に包まれる

八瀬駅に降り立つと、目の前には紅葉の森、少し歩くと見えてくる清流、静かな山に一瞬でとりこにされてしまいました。
そして、そんな八瀬の空気に夕暮れの空がとても似合っていました♪
みなさんも、きれいなどこまでも続く海に沈んでいく夕日を見たとき、森の中でマイナスイオンを感じたときなど、自分のことを一瞬で安らぎが包み込む感覚に陥ったことがないでしょうか。
まさに、そんな場所でした。
少し歩くと山門が見えてきて、そこで予約を確認してチケットをもらい、中に入ることが出来ます。
訪れた人を非日常へと誘う 山路地の庭

階段を上がって山門から玄関までの山路地の庭を登っていくと、紅葉に囲まれた書院が見えてきました。
本当に森の中にあるというような感じで、この山路地の庭の時点ですでに非日常の世界に包まれます。

いよいよ、中に入って2階に進んで行きます。瑠璃光院では、写経の体験もできるので、写経をしながらこの美しい空間をしっかりと体感するのも良いですね♪
漆黒の机に映る紅葉
そして、2階に上がってまず飛び込んできたのがこの景色!

書院を囲む紅葉と、八瀬の山々、そしてこの紅葉と同じ色に染まる夕焼け。しばらく見入ってしまいました。
そして、いよいよ瑠璃光院の代名詞とも言えるお部屋へ。

部屋の一角に置かれた黒い机には、書院を囲む紅葉がくっきりと映ります。
こんなにもお部屋の外の景色が見える開放的なお寺ってなかなか無いのかなと思います。
そして、書院の中は暗いので、外の景色の美しさと、静けさがより魅力を増して感じられます。

平日ということもあり、もともと人が少なかったのですが、他のお寺よりも本当に静かでした。訪れた方もこの八瀬と瑠璃光院の魅力をしみじみと感じているように。
美しさに座り込まずにはいられない 瑠璃の庭
続いて、1階に降りていきます。
2階で大満足していたので、もうお腹いっぱいといったところだったのですが、1階のお庭もこんなに綺麗だったとは、、、。
苔の緑って、なんでこんなに美しいんでしょう。
訪れた人達も、ほとんどの人が畳に座って、外を眺めていました。
ちなみに、ここではお抹茶と和菓子のセットを頂きながらお庭を眺めることもできるそうです!

昔の人達がこだわって造った庭園が今も時代を超えて親しまれるのがよくわかります。
今の時代の庭の形式が変わったとしても、そういった日常の景色にこだわれる心を持っていたいなと思いました。
縁側に映える苔と紅葉 臥龍(がりょう)の庭
もう本当に魅せられてしまった私ですが、実は、まだ終わりではありません!笑
ご本尊、阿弥陀如来像にお参りをしてから、次の順路へ向かいます。
次にあったのは臥龍の庭です。


ここでも、書院の中の暗さが、外の美しさを引き立てていました。
庭と建物が、お互いの魅力を引き出し合う関係になっているって、とっても素敵ですよね♪
臥龍の庭をたっぷり楽しんで、惜しみながら瑠璃光院を後にしました。

京都の数あるお寺の中でも、個人的にはこれだけ静けさと安らぎに包まれるお寺はなかなか無いと思いました。
特にオススメのお寺です!
非日常の安らぎを取り入れる
さて、ここまで京都1泊2日旅での出会いを紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
京都は近年観光客の増加から、「昔の京都」はなくなってしまったと言う地元の方も少なくないと聞きます。
しかし、今回はコロナ禍ということもあり、静けさと情緒に包まれた京都を体感することが出来ました。
昔の僧や貴族が日常を送った京都を、少し垣間見ることができた気がします。
それは本当に安らかで美しい日常でした。
みなさんも京都に行かれる際は、定日やピーク過ぎなど、空いている時期や時間を狙うと良いと思います。
昔の人が持っていた日常を愛でる心を、今の私達は持てているでしょうか。
せわしなく時間が流れる現代(いま)においても、京都で流れていたようなゆったりとした安らかで居心地の良い時間を大切にしていけたらなと思いました♪
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。