静けさと情緒に包まれた秋の京都へ
今回は、2020年11月に、昔の同期と訪れた秋の京都での出会いを紹介していきたいと思います。
秋の京都と言えば、紅葉ですよね!
今回は、コロナの影響で紅葉のピークである11月下旬にしては、平日ということもあり、大変静かに京都の紅葉を体感することができました。
初めての秋の京都は、今までの京都とはまた全然違って。
昔の詩人達が詠んだ美しい自然に包まれた、情緒深い京都を少し感じれたような気分になれました。
静かな京都を彩る紅葉に、川の音、本当に心が洗われたような、そんな感覚に何度も包まれました。
せわしなく時間に追われる日々に、「すき間」を作ることができました。そういう時間を大切にできる人でありたいなと思います。
さて、それではそんな京都での出会いの一部をご紹介していきます♪
東福寺の紅葉と伽藍に囲まれて
さて、1日目!午前中に京都駅に着いた私達は、東福寺へ!

東福寺は、京都駅から最寄りの東福寺駅までJRで1駅ですし、バスでも15分ほどで行けます♪
紅葉で有名な東福寺ですが、そもそもどういうお寺なのでしょうか?
鎌倉の大仏と同じ1255年に完成した東福寺は臨済宗大本山の一つで、摂政の九条道家が禅僧によって開山させ、奈良の東大寺と興福寺から1字ずつ取って東福寺としました。1243年には、天台・真言・禅の各宗兼学の堂塔が整備されましたが、相次ぐ火災で焼失と再建を経て、完全な禅宗寺院として整っていきました。
仏殿本尊には15メートル(鎌倉大仏11.31m)の釈迦像が建立され、豊臣秀吉や徳川家康などにも修理を受けていましたが、1881年の火災で焼失し、その際に残った左手部分が現在も保管されています。
現存するものは、その後昭和に完成したものも多いが、国宝の三門をはじめ、中世の建造物も残っています。

錦の雲海「通天橋」

しばらく歩いて、下の川の方へ下っていきます。
川には落ちた紅葉が降り積もっていました♪

そこから、また階段を上って、通天橋の方へ向かいます。
通天橋からの景色は、ピーク過ぎでしたが、空と紅葉と木造の橋とのコラボレーションは大変素敵でした♪
また、リベンジしたくなる場所です。


本当にずっといても飽きない場所で、紅葉でこんなにお腹いっぱいになるとは、正直思ってもみませんでした。
大きさな伽藍が見応えたっぷり
通天橋を抜けると、本堂や三門といった伽藍(お寺の建物)がたくさん見えてきます。
東福寺の伽藍はその大きさが有名で、とても迫力があります!
三門
国宝の三門は1405年頃に再建されたもので、禅寺の三門では、日本最古にして最大のものになります。
三門とは、三解脱(悟りに至る三つの境地)門の略で、禅宗の本山等に見られます。
東福寺の三門は2階建てで、5つの柱と3つの門からなる「五間三戸(ごげんさんこ)」という造りになっています。
法堂
この日は東福寺の本堂(ご本尊を安置する仏堂)にあたる法堂が特別公開されていたので、中を見学してきました!
ここが、かつて15メートルの釈迦如来像が祀られていた場所になります。
現在のご本尊は塔頭(たっちゅう)寺院から移された釈迦如来像になっています。
※塔頭・・・位の高い僧侶やその家族の隠居生活場所として、あるいはその僧の墓に建てられたもの。東福寺には、明治に神仏分離令が出るまでは、塔頭が70近くもあった。
中に入るとまず驚くのが、天井にある大きな龍の画です。
これは、日本画家の堂本印象がわずか17日で書き上げたというのだから、驚きです。
その他、焼失した15メートルの釈迦如来像の左手も見ることができましたが、予想以上に大きく驚きました!
鎌倉の大仏より大きかったのですから、それもそのはずですね。
今回は、2つの伽藍のみの見学でしたが、他にも紅葉の時期限定で拝観できる塔頭などもあります。ぜひ、ゆっくりと回ってみることをオススメします♪

紅葉に囲まれ、大迫力の伽藍に囲まれ、本当に京都は面白いと思わせてくれたお寺でした。
こんな趣深いお寺に来ると、自然と心が整っていきました。

お昼は京都でハンバーガー?!

一口目から今まで食べハンバーガーとはまるで違いました!!
しっとりとしたバンズに、毎日手ごねされているミディアムレアのパテがベストマッチ!主役の座を渡しません!
そこに、特性のゆず胡椒のソースや、大根の食感など、和テイストのハンバーガーも美味しいなと思いました。食べ応え十分です。

そのほか、友達のわさびバーガーも味見しましたが、こちらは九条ネギが入っていて、より和なテイストでした♪
店内の雰囲気も良く、夜にお酒を飲みに来るのも良いなと思いました♪
東福寺や伏見稲荷(東福寺から1駅)を訪れた際には是非!
南禅寺で紅葉と建築のコラボレーションに浸る
さて、続いて向かったのがこちらも、紅葉の名所南禅寺!
東福寺から北上して、銀閣の方へ向かいます
東福寺から電車で40分ほどの南禅寺ですが、南禅寺はどういうお寺か、みなさんご存じでしょうか?
先ほど紹介した東福寺と同じく、臨済宗大本山の一つ南禅寺で、1291年亀山法皇が禅僧を迎え、開山されました。
亀山上皇が出家され(1289年)法皇になられてから離宮に起った妖怪な事を禅僧が終息させたとして、その徳を称えて、離宮を禅寺(現在の南禅院)として開創したのが始まりです。
隆盛を極めた南禅寺も次第に衰退し、戦国時代には伽藍も焼失してしまいましが、徳川家康に重用された以心崇伝(いしんすうでん)により再建されました。徳川家康が遺言で残した3つの東照宮のうち1つが、境内の金地院にあります。
紅葉や桜に加え、日本最大級の「三門」や京都の近代化を物語る「水路閣」、南禅院や方丈の「庭園」等、見所満載の境内です。

日本三大門「三門」
境内に入ると、すぐ目の前に高さ約22メートル、日本最大級の三門が見えました♪

楼上にも上れるようになっていて(拝観料:500円)、ここから見える景色がまた素敵です。「絶景かな、絶景かな。」の台詞で有名な、歌舞伎の舞台にもなるほど。
現在の三門は1628年に再建されたものだそうです。

上の写真は途中で見かけた紅葉です。こういう素敵な画を見つける心を日常でも持っていたいですよね♪
境内に馴染むレンガの建築「水路閣」
南禅寺の写真スポットとしても人気の水道橋。南禅寺の素朴な趣き深い雰囲気にしっくりと馴染む洋風の建築。とても素敵です。

柱に空く隙間に入って、写真を撮ればインスタ映えすること間違いなしです!
着物を着た人がたくさんいました!
1888年に完成した全長93.2メートル、高さ9メートルの水道橋は、琵琶湖の水を京都に運ぶ琵琶湖疎水の役割を担っています。
明治維新後、東京遷都を機に衰退した京都の復興策として、琵琶湖からの引いた水を利用して産業復興を図ったのが始まり。
水力発電や水車電力によって、京都の産業は大きく発展し、舟運は人の往来もさかんになり、現在は、その歴史的価値が評価され、観光船の運航なども行っています。
方丈の庭園と襖絵を眺める
水路閣を見た後は、国宝、方丈(住職の居所)の見学へ。
南禅寺の方丈といえば、狩野派の障壁画に彩られた襖(ふすま)!
今回、写真で伝えることはできませんが、デジタル復元とはいえとても美しく、虎や鶴など、様々な模様で彩られた襖はとっても綺麗でした!
「どっちが好きだった?」という風に、比べながら見ることができて楽しかったです。
そして国の名勝にも指定されている「虎の子渡しの庭」も見てきました。

ゆったりと眺めてみると、確かに手前の砂に描かれた川を、虎(岩)が渡る様子が見えてきます。
庭で何かを伝えようとするという芸術の深さに感心をせずにはいれらませんでした。見た人見た人、それぞれの感じ方があるのだと思います。
ぜひ、みなさんも行かれた際には、ここに腰をかけて、この庭園が言わんとするメッセージを受け取ってみてください。

南禅寺の奥手に隠れる「最勝院高徳庵」で恋みくじ!
さて、前編最後には穴場のご紹介!
南禅寺をゆっくり回った後は、その奥にある「最勝院高徳庵」も紅葉の穴場として欠かせません!
なかなか観光客もここまでは来ないようで、非常に静かな雰囲気に包まれてひっそりとした良さを感じることができました♪

ちなみに、この辺り一帯の山峡は「神仙佳境」と呼ばれ、最勝院駒道智大僧正(藤原道家の子)の霊地として知られています。
駒大僧正は晩年、俗世間を離れてこの駒ヶ滝最勝院の地に静かに暮らしましたが、秘密の法力により、白馬にまたがり生身を天空に隠されたと伝えられています。
このお寺は駒大僧正をまつった本堂であり、この奥にある(歩いて行ける)駒ヶ滝が奥の院(本堂より奥にあって、開山祖師の神霊などを祭った場所)となっています。
縁結びの松
お寺の前には綺麗な紅葉と「縁結びの松」があります。
左右から生える日本の松が一体となっています!
お寺には、恋いみくじもあるので、ぜひ運勢を見てみて下さい(笑)
静けさの中にある美しさ、誰もが魅了された古都の魅力
さて、前編は東福寺と南禅寺のご紹介でした。
どちらも初めていった寺院でしたが、コロナウイルスの影響で人が少なかったこともあり、心が安らぐ静かな京都の空気を感じることができました♪
整った心で見る京都は、格段と美しく、紅葉の色一つ一つに心が動きました。
また、そのお寺の歴史を学び、伽藍や美術を見ると、本当に当時の人が詩にした景色を見ているようでした。
月や花、絵やお庭に想いを重ね、心をうつす。
こんな感性を、日常でも持ち続けたいなと。そんな風に思えた京都でした。
最後まで読んで頂きありがとうござました。京都での出会いの紹介はまだまだ続きます!