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好きなことを追いかけ続ける強さ〜働く男〜

  • 2020年11月19日
  • 読書
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~働く男~ 星野源

今回ご紹介する本は「俳優」「音楽家」「文筆家」の三つの顔を持つ星野源さんの仕事に対しての向き合い方や人間味に触れることができる、【働く男】という本です。

  • 【文筆家→書く男】
  • 【音楽家→歌う男】
  • 【俳優→演じる男】

と大きく三つの章に分けられており、それぞれの章で星野源さんご自身の過去作品をあたらめて「この作品は当時こんな思いを抱えていて、こんな素晴らしい出会いもあってできた作品なんです!」と、振り返りながら語りかけてくれる形で内容が進んでいきます。

当時の葛藤や楽しかったこと、自分がやっていたことが少しづつ大きくなり少しずつ仲間が増えていき、もっと素敵な作品を作れるようになっていく過程を一緒に歩むことができて働く男=星野源さんの魅力がとても詰まった作品になっています。

人が変わるきっかけに立ち会える

本屋さんを当てもなく歩き、気になった本を手にとっては戻す。
というのが好きだったりする僕ですが、今回はビジネス棚も今回はちょっと違うな~、、小説も読みたいものたくさんあるけどぉぉぉ、、、漫画は1巻では満足できないし、、などとぶらぶら
ふと気が付くと普段は全然読まないコラム系の本棚へたどり着いておりました。

星野源本当に良く見るな~どういう人なんだろう、
と思いパラパラとめくり始めたことがこの本との出会いです。

立ち読みを始めて(店員さんすみません)”はじめに”

すぐに欲しいと思い購入し、読み終えたときには星野源の魅力にどっぷりはまってしまっている自分がいました。

こうして記事を書いている今も星野源の「Pop Virus」を聞いています。

星野源さんの事については特に詳しい説明はいらないと思いますが、この本をご紹介するうえで一点だけ説明をしたいことがあります。

今では知らない人はいないというくらいに活躍をされている星野源さん、
実はこの「働く男」を入稿した直後の2012年にくも膜下出血を引き起こし、闘病生活を送っていた過去があります。

そんな特殊な事情を抱えたこの本のプロローグにあたる”はじめに”には

闘病生活を終えて【復帰した星野源】さんから倒れる前の【仕事に没頭している星野源】さんに向けた文章が書かれており、ほんとに同じ人なの?とびっくりするくらいに別人です。

↓【復帰した星野源さん】

働きたくない。

どこか南の島で少し辛い料理を食べながら、少し苦いドリンクを飲み、ココナッツオイルの甘い匂いがする海岸で横になり、ビーチパラソルの下で、心地よい風の中、何も考えないで1日を終えたい。

星野源 働く男 P3

また、所々で【復帰した星野源】と【仕事に没頭する星野源】の変化が垣間見え、人は何かのきっかけでこんなにも変わるものなのかと人の感情や考え方が変わる瞬間に触れられるだけでもこの本を読む価値はあります。

↓【仕事に没頭している星野源さん】

仕事が好きです。

~中略~

どれだけ忙しくても、働いていたい。

ハードすぎて過労死しようが、僕には関係ありません。

星野源 働く男 P14

変わったどころではないと思う、、、真逆~(笑)

人間臭い

僕の中での星野源さんって昔は控えめでいわゆる目立たない系の人だけど、音楽や演技、そしてラジオ等あらゆることをマルチにこなせる器用な人、
それでいて謙虚で、大人の落ち着きがあって、ドラマでガッキーと共演していて、キツネの耳を付けた吉岡里帆さんと戯れていて、今では老若男女問わず大人気!
羨ましすぎるわ、というイメージを持っていたのですが、

この本に出てくる星野源さんは

イラついていて、体が壊れようが関係ないというくらいにエネルギッシュで、暑苦しいくらいにストイックで、そしてエロくて、
努力が報われない中でも必死にもがいて、それを応援する仲間に助けられていて

とっても人間臭い!!でもそれがいい!!!

この本に出てくる星野源さんは普段感じているような生きづらさを感じて、同じように悩み、同じような事で喜び

あ、ギャルゲーの主人公ではなく人間だったんだ(笑)

って身近に感じられる場面が多々あります!

読み終える頃には星野源さんの魅力に引き込まれて、僕もこの人くらい自分に正直に正面から向き合いたい!
そう思える素敵な本でした。

三職を突き詰める男

この働く男という本は【書く男】【歌う男】【演じる男】という三部構成で書かれています。
それぞれの男を簡単にご説明したいと思います。

書く男

書く男では、星野源さんが雑誌のポパイで連載していた映画コラムの「ひざの上の映画館」をまとめたものや、短編の物語等が書かれています。

特に「ひざの上の映画館」では紹介する映画の魅力はもちろん、星野源さんが当時世の中に対して感じていた憤りや喜び、様々な感情をダイレクトに伝わるように書かれていて、最後のまとめの文章では鳥肌が立ったり、勇気づけられたり、ほっこりしたり、なんか友達の話を聞いているようなそんな気分になれるので、気張らずに読むことができます。

丁寧な言葉の中でも決して堅苦しくなく、笑いを誘う文章や時にはしみじみとエモさを感じるような様々な感情が詰まった文章がとっても素敵です。自分の思ったことをそのまま文章に書き起こせる力がとっても羨ましいなと思いました。

僕の中でのナンバーワンほっこりというか勇気づけられたフレーズは

今は、いろんなことを真剣に考え、行動しなければいけない時期。だからこそ、何も考えずに笑える時間が必要なのだと思う。

星野源 働く男 ひざの上の映画館より「好きなものが詰まっている!」 p74

誰しも頑張り時だ!という時期があると思います。

僕にもそんな時期がたまに来るのですが、そいった時僕はいつ何時も集中力や神経を尖らせておき、シャキッとしているべきだと思ってしまいがちで自分で自分を勝手に苦しめてる感じがありました。

そんな時に本の中で、どれだけ忙しくても働き続けたいと冒頭で言い切ってしまうほどのストイック星野さんが、真剣に行動しなければいけない時ほど何も考えずにただただ笑う時間も必要だ、言ってくれたこの文章は僕にとって心が軽くなった瞬間だったので、とても印象に残っています。

歌う男

星野源さんが初めて音楽に触ったのは中学生のころ、
当時周りの皆が一斉に音楽を始めたことで、「やばい、おいていかれる、、」という思いからギターに触れたことがきっかけだったみたいです。

なかなか人前に出て音楽を披露することができない中でも初めて自分でメンバーを集めて組んだサケロックから、音楽家としての歩みを1曲1曲に思いをはせながら語ってくれるので、
友人の昔話に(武勇伝では無いやつ)耳を傾けているようなそんな心地よい時間が流れます。

演じる男

星野源さんが初めて演じるという事に触れたのは音楽と同じく中学生のころ、
たった一言を発するだけの役だったがめちゃくちゃ緊張したけど、終わったころにはなんかめっちゃ達成感にあふれていた経験から人前で演じるという事にどっぷりはまっていったみたいです。

主な主演作品一覧の知ってる作品から知らない作品までの裏話を自筆で一言「これはこんな思いで演じた!」という思いや人への感謝がたくさん書かれていて、すべての作品を見てみたいって思いました。

三つの夢を追いかけ続けた強さ

星野源さんって今では歌でも演技でも文章でも成功されており、なんでも器用にこなせるマルチな人間といったイメージですが、
書く人にしたって最初は「才能がないからやめておいた方が良い」と周りに言われ続けていたそうです。

それでも好きだから続けていきたくて編集者さんに自分から逆営業を行って仕事をもらい最初は小さな欄から、、そして少しずつ大きくなって今では本も出せるほど大きな仕事になっていきました。

演技も音楽もそう、人前に出て何かをすることが大の苦手だったけどそれ自体は好きだから続けてた、そしたら少しづつ仕事としてお金をもらえるようになっていきました。

全ては才能がないからといって諦めることなく”関係ない、才能がないからこそやってやる!”という意識と”三つのことを好きでい続けた”強さが今の星野源さんを作り上げたのだと思います。

きっかけはただの憧れです。文章がうまい人に憧れていました。
ペン1本で、壮大な物語を創り出したり、
ペン1本で、腹がよじれるくらい爆笑できるエッセイを書いたり、
そういう人にずっと憧れていました。
だったらやるしかないと。
「星野君に文章の才能はないと思うよ」
といろんな人に言われましたが、そんなの関係ねえと奮い立ち、

~中略~

才能があるからやるのではなく、
才能のがないからやる、という選択肢があってもいいじゃないか。
そう思います。
いつか、才能のないものが、面白いものを創り出せたら、
そうなったら、才能のない、俺の勝ちだ。

星野源 働く男 「書く男」 p18~19

僕らは大きくなればなるほど、自分の得意な事、才能がある事は何だろうと考え行動をしがちです、
さらになぜそれが得意なのか、やりたい事なのかという根拠を示さないと行けなかったり、やりたい事を一つに絞ろうとします。

特にやりたい事や将来の夢、仕事を一つに絞る必要ってあるのでしょうか。

僕はこの【働く男】を読んで、自分がただただ好きな事、根拠はないけどなんか憧れていることに対してもっと気楽に行動できてもいいんじゃないかなとおもいました。
もっと自分の本能でやりたい事を感じて、イキイキと働くことができる世の中になってもいいんじゃねと思いました。

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