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コソボ夕日

【平和について考える バルカン半島縦断シリーズ③】〜コソボで兵士として戦ってきた方と出会う〜

  • 2020年6月29日
  • 2020年7月25日
  • 旅行
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バルカン半島縦断シリーズ第3弾:コソボ編

2019年夏、コッスーはバルカン半島にバックパッカーへ出かけました。

もともとは、人があまり行ったことのないところに行こうという理由で選ばれたバルカン半島でした。

しかし、実際に訪れてみるとかつてヨーロッパの火薬庫と呼ばれたその地の激動の歴史と、そこに生きる人達との出会いがありました!

本当の平和とは何か、深く深く考えさせられた旅でした。

移動は基本バス、宿泊はユースホステルもしくはドミトリーに泊まりました。

今回はバルカン半島縦断シリーズ第3弾として、コソボ(プリズレン)をお届けします!

コソボは、つい数十年前まで紛争があり、そして今でも緊迫感の残る国で、そこに力強く暮らす人達との出会いがありました。

コッスー的にバルカン半島で最も心を動かされた国でした。

アルバニアのベラトから夜行バスでコソボのプリズレンまで来ました↓

笑顔の溢れる世界遺産の古都:プリズレン

『コソボ情勢』とプリズレン

アルバニアの北側に位置するコソボ、プリズレンにやってきました!

元々は、世界遺産である古都をこの目で見たいという理由だけでプリズレンに寄りました。

コソボと聞くと、『コソボ情勢』や、『ユーゴ情勢』といった言葉をニュース等で目にしていた人も多いのではないでしょうか。

実際に、コソボ自体はとっても複雑な歴史があり、つい最近まで紛争があった地です。

コソボ:15~20世紀の間、約500年ほどオスマン帝国に支配され、セルビア王国の支配下になり、アルバニアが統治し、その後ユーゴスラビア連邦の一部となり(コソボ・メトヒヤ自治州)、コソボ紛争を経て独立(コソボ解放軍とセルビア軍の戦い)しました。とにかく、すぐ北にあるセルビアとの関係性が緊迫していて、その緊迫は今でも続いているのが現状です。コソボに暮らすのは、ほとんどがアルバニア人で、日常生活ではセルビア語よりアルバニア語が使われています。

その中でプリズレンは、アルバニア系、ボシュニャク系、トルコ系、ロマ系、そして少数のセルビア系の人が住んでいて、民族的な多様性が豊かな街です。

しかしながら、プリズレンが持つこの民族的多様性は、前述した20年前のコソボ紛争の余波において、激しくぶつかり合うことになってしまい、大きな被害を生みました。

しかし実際に訪れてみると、紛争の傷跡を感じさせないほどに街は再建され、そこに住む人々には素敵な笑顔が溢れる街でした!

観光客がまだまだ少ないプリズレン(コソボ全体もそうですが)では、みんなが観光客に対してウェルカムな雰囲気です。

街中には多くのモスクが立っています。セルビア正教の教会もありました。

特にアジア人はとっても珍しく、笑顔であいさつされたり話しかけられたりすることも他の国に比べて圧倒的に多いです。

実際に、プリズレンに到着してすぐに見知らぬ人に声をかけられ(現地ガイドの方ではない)、当日泊まるゲストハウスまで案内してくれたほどです。(笑)

古都を散策する

プリズレンで泊まったゲストハウスは、『Frida Guest House』というところでした。

ここのオーナーさんがとっても素敵な方で、『ある程度観光してきたら、自家製ワインの飲み放題やろうね!』って言ってくれました。(笑)

噂には聞いていた、アルコール飲み放題付きのゲストハウスです。

とっても楽しみにしながら、まずは世界遺産の古都、プリズレンを歩きます。

よく食べられている料理は、お馴染みケバブです。安くて美味くて、ボリュームがすごいです!

お店の方もみなさんテンションが高くて、コーラをサービスしてくれました!

街で歩いていても、みなさんたくさん話しかけてくれました。

オスマントルコ風の石の橋(Ura e Gurit)。美しい橋です。

英語を話す方は少なかったですが、アルバニアで教えてもらった『ありがとう』の『ファレミンデーリット』が使われていたので、すぐに仲良くなりました(^^)

素敵な道草を食いながら、プリズレンの街を一望できる高台にあるプリズレン城塞を目指します。

町の中心部からは徒歩で10分ほどですが、かなりの急勾配を登るので心構えが入ります!(笑)

しかし、既にこのバルカン半島縦断の旅シリーズでお伝えしているように、厳しい坂道を登っただけ、最高な景色が待っているということです。。

息を飲むような絶景です。夕日のタイミングもばっちしです!

こうしてみると、赤みがかった屋根で統一された素敵な街並みの中に、数多くのモスクが建てられていることがわかります。

最高に素敵な夕日を眺めた後は、いよいよゲストハウスでの自家製ワイン飲み放題です!

平和な日々が続くことの大切さを感じる

自家製ワインはサングリアのようにとても甘く、飲みやすいけれども、意外とアルコール度数が高く、写真を撮るのを忘れてしまうほど楽しんでしまいました。(笑)

また、オーナーさんによると、バルカン半島にきたからには『RAKI』というお酒も飲んだ方がいい!ということで、一緒に飲みに行きました!

無色透明で度数は40度。ブドウから作られたテキーラのようなもの、だそうです。

このRAKIを片手に、とっても深いお話をしました。

プリズレンは、20年前のコソボ紛争の余波を受け、セルビア軍に弾圧されました。

その中で、アルバニア人であるオーナーさんも1人の兵士として、その弾圧に抵抗していたそうです。

彼の左腕には、セルビア軍から受けた弾痕があり、当時の衝突の激しさや恐怖を語ってくださいました。

当時既に結婚し、子供も生まれていた彼は、とてつもない心苦しさとともに戦っていたそうです。

もうこれ以上血を流すことは、セルビアにもコソボにもいいことは何にもないし、今こうして町中の人が笑顔で暮らしている日常が永遠に続けば良い、とおっしゃっていました。

涙ながらに語る彼と、コソボで優しくしてくれた町中の人たちの笑顔を想うと、僕らも涙が止まりませんでしたね…。

今こうして記事を書きながらも、涙が溢れてきます。

また絶対ここに来ようと、強く思いました!

『普通の日常』をとっても大切にする人々との出会い

ここまででコソボ編はおしまいです。

『普通の日常』の大切さを噛みしめながら毎日全力で生きる人々に出会い、私たちもこれからの1日1日を今まで以上に大切に生きていこうと思いました。

こうしてみんなが笑顔で、平和な日々が永遠に続くと良いな、と強く思いました。

本当に美しい街です。

少し生々しいお話になってしまったかもしれませんが、これが現実で、人間のしてきたことです。

『コソボ情勢』などのニュースを目にしても、『とってもかわいそうだけど…、私たちは日本にいるから関係ない』と言って切り替えていませんか。

私たちにできることは、この現実を知り、そこに興味を持ち続けることだと思います。

そしてもし可能なら、是非1度、現地に足を運んでみてください!

生きていること、平和でいることのありがたみが身に染みてわかる場所だと思います。

ありがとう、コソボ!

そんな思いを胸に、コッスーは旅を続けます。

次回は、バルカン半島縦断シリーズ第4弾として、モンテネグロ(コトル)をお届けします!

お楽しみに!(^^)

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